大谷、フジシ、吉桂
昔、弊社本館の主要取引先の問屋さんは、大谷ESさんとフジシさん
この二社で十分に回っていました
その後、愛知県の吉桂さんの営業が飛び込みでやってきて
そこから段々と吉桂の取引額がアップしていきました
簡単なことです、吉桂の当時の営業マンが 「大谷やフジシよりも安く卸しますよ」
と営業をかけ、実際に安かったからです
三社とも同じメーカー品を取り扱っていましたから、捨て身の先方で割り込んでくる
吉桂に、当時の大谷さんやフジシさんは戦々恐々
私は 「これは使える」と考えて、さも今すぐ吉桂に乗り換える・・・
と言うような素振りを見せつつ、ずいぶん大谷、フジシとの交渉の駆け引きの道具
に使わせてもらいました(笑)
吉桂さんにすると弊社を篭絡して、足掛かりとして一気に在阪の大谷、フジシの
シェアを奪ってしまおうと考えていたのでしょう
なんと弊社に 「全商品を委託で提供する、その代わり大谷とフジシから仕入れずに
吉桂オンリーにしてください」 こんな思い切った提案を吉桂はしてきました
全品委託・・・当時の商品構成から言って、金額で1000千万円くらい
おいしい提案ではありますが、私は容易に乗っては吉桂の思うつぼ
と考え、返事は保留にしてフジシと大谷の反応を見ました
と言うのも、当時の吉桂の営業マンは 「食えない男」(笑) で
最初はおいしいエサでこっちを吊るけれど、大谷とフジシ無きあとは
吉桂のやりたい放題にするつもりに違いないと踏んでいました
しかしフジシと大谷の反応は想像以上に敏感でした
「吉桂に新井家具を奪われる!」と、かなり焦っていたかんじが見て取れました(笑)
そして、フジシと大谷の今後の取引を有利に運ぶ事に成功
そういった意味では、吉桂を出汁に使ったわけで
結局、吉桂に委託で提供してもらうという案は採用しませんでした
その時の「食えない営業マン」は未だに私に 「当て馬にされた」
と半笑で怒りますが、彼も 「もしあの時、新井家具さんが大谷、フジシを排して
吉桂一本にしていたら、そのあとは吉桂のいい様にしたでしょうね」
と認めていますから、どっちもどっち(笑)
正に 「引っかかった方が負け」 の駆け引きの世界・・・面白い(笑)
その時の 「食えない営業マン」は今弊社で本館のバイヤーやってる
ファンネル十河氏
今度、弊社の別事業の責任者として、6月末に現地に単身赴任する予定です
さて現地でどんな風を起こすのか? 楽しみです